これは、それなりに生きてきた私の、
それなりの人生を描いた、
それなりの物語。
そして、
それなりに生きた私の、
それなりの最期・・・
その瞬間、私の鮮血が白い世界を覆ってゆく。
私が電気信号を走らせる、私の錆びた世界が意識を裂く。
そして、走りぬける様に私の目の前に虚構の世界が繰り広がっていく。
そこは、それぞれがそれぞれの欲望をままに生きる世界だった。
虚構を纏った命のサーカスの風景。
虚ろな欲望渦巻く王宮と。
虚栄を重ね、それに抵抗する者たち。
・・・そして、あの人の、姿。
そして私は私と出会う旅に出るだろう。
さぁ、サーカスのはじまりです。